自分史コラム

2024.04.17

自分史づくり、あなたにしかない辞書

ようこそ、workfor ワークフォー「自分史コラム」へ、おいでいただき、ありがとうございます。

自分史とは、「自分の歴史(過去の出来事)を表現したもの」、
作り方や表現方法は自由です。


 自分史づくり、あなたにしかない辞書とは

過不足なく表現できて、伝わりやすい

あなたにしかない辞書、とは、
あなただけが頭の中に持っている、固有のデータベース、すなわち、語彙(ごい)=ボキャブラリー、単語や言い回しの集まり
と、workfor ワークフォー は解釈しています。
データベースとは、本来、コンピューターで関連する大量の資料を収集・保存・検索するのに便利なように整理した情報のファイル、のことを意味します。

この、あなたにしかない辞書が豊富で充実していればいるほど、あなたが自分史づくりで表現したい出来事の描写(時代背景、匂いや音なども含まれる)や、その時の喜怒哀楽の心情や、そう単純には割り切れない、微妙な表現が求められるような複雑な感情などが、
的確に過不足なく、細やかに表現できて、読み手にもストレートに鮮やかに伝わりやすい
ということはあると思っています。

一方、この、あなたにしかない辞書の中身(語彙数)が、残念ながら、あまり豊富ではなく、充実していない場合、いわば複雑で、単純にはとらえられないような感情などを、どう表したらよいのだろう、と自分史づくりの際などに、表現に苦労するということは、どうしても起きてしまうのでは、と思っています。いくら(頭の中で)探しても使えるものが見当たらない、という感じでしょうか。

語彙を増やす努力

だから、日常的に、語彙を増やす努力は必要だと思っています。
本や雑誌を読んだり、辞書を調べたり、新聞や雑誌、テレビやラジオの放送、ネット記事、人から聞いた話などで知った、新しい言葉や、これは、と思える表現方法などを、「あっ、これは、よいことを言っているな、とてもよく伝わるな」とか、「その通りだな、こういう気持ちを表すときは。こんな単語を使えばよいな」とか、感銘を受けたら、すぐ紙にメモしたり、スマホに入力したりして、できるだけ、収集・整理して、いつでも検索できるようにしておくとよろしいかと思います。

自分の感じた気持ちなどを、
より的確に、より過不足なく表現できて、他者(読み手)に伝わりやすくなり、本人としても、自身の気持ちや考えを再確認できて、気持ちもスッキリするはずです。
語彙が豊富な場合と、そうでない場合とでは、表現の選択肢の多さ、深さという点で、どうしても、差はできてしまいますね。

ただ、いくら考えを巡らしても、あのときの自身の気持ちやモヤモヤしたものを、適切に言語化できず、客観的に把握できないまま、宿題になっている、ということは、私も含めて、どなたにもあると思います。そういう場合は、時間をかけて、ご自身の辞書をより充実したものにしていけば、また、年齢を重ねて経験を積んでいけば、いずれ、適切に言語化できて、客観的に把握できるようになる日がくるかもしれません。

それでも、宿題のまま、ずっと持ち越して、よくわからないまま、ということはあるでしょうね。また、生きていく上で、あまりにも過酷で深刻な事態、言葉が出てこないような事態に遭遇することはあるかと思いますので、そういうときには、どうしても、言語化の限界というものはあるかとは思っています。

いずれにしても、自分史づくりに限らず、文章で自身の思いや考えを表現したいと思われたら、語彙を増やす努力はして、「あなたにしかない辞書」を充実したものになさることをおすすめします。私も含めて、それは長い道のりだとは思いますが、とても楽しい道でもあると思っています。

いざとなったら、出てこない

一方、昨日今日、例えば、誰かの講演で聞いた言葉とか、ネット検索で偶然知った言葉とか、新聞で読んだ言い回しなどで、「これはいいなあ、素晴らしいなあ」と思って、手書きでもスマホのメモ帳でも書いて残して、今度機会があれば使ってみようと思っても、なかなか簡単ではない、という現実はあります。

いわば、自身の体内に腹落ちした、自身の「獲得語」とならなければ、借り物の言葉のままだからです。

「あなたにしかない辞書」のどこかのページに一時的に張り付いている紙の伏せんのように、いわゆる「学習語」のままで、自身への粘着力は弱いので、知らない間に、はらりとはがれて、忘れてしまったり、とっさには出てこなくて使えなかったりするかもしれません。

特にプレッシャーやストレスがかかるような場面、いわゆる、頭が真っ白になるような緊急の場面では、いざとなったら、とっさにすぐには出てこない。仮に、何とか出てきたとしても、どうも、軽くて、薄くて、読み手に伝わる熱もなく、説得力も弱いのではないでしょうか。(※伏せんとは粘着力の弱い糊(のり)が裏面に薄く付いている、貼ってはがせる、小さな紙片のことです。)

そういうときには、普段、心の底から本当に信じて、絶えず心の中でも、外に対しても、繰り返し使っていて、ご自身で十分納得している言葉、つまり、あなたの「獲得語」である、「あなたにしかない辞書」にくっきりと刻まれたものしか、出てきません。

不思議ですが、私は何回も経験しました。皆さんは、いかがでしょうか。結局は、あなたにとってウソのない、あなたの信念・哲学・信条に基づいた言葉や言い回しだけが、「あなたにしかない辞書」に深く刻印されていくのだと思います。

まずは、あなたの「獲得語」で

だから、自分史づくりを進める場合、文章で表現したいという方には、過去の足跡をたどってみて、まずは、一番に思い浮かぶ単語、一番に思い浮かぶ映像、をキャッチしませんか、と申し上げています。

それら断片をきっかけにして、当時のことが徐々に鮮やかによみがえり、表現したいことがあふれてきたら、当面は、現時点での「あなたにしかない辞書」にある、あなたの手持ちの「獲得語」だけを使って、思うままに伸び伸びと短い文を書いてみませんか。誤字や脱字など気にせず、漢字が思い出せないなら、ひらがなでもカタカナでも構いません。正確な名前や年号が思い出せないなら、仮の印を付けてもよいですから。(それらは、いくらでも、後で調べて直せますので。)

そんな、いわば洗練されていない、できたてのホットな文章にこそ、あなたの気持ちや考えがありのまま表現されて、熱が確実に込められていて、よりリアルに、読み手に伝わるのではないでしょうか。

そして、そうした行為と並行して、できる範囲で自身の語彙を増やす努力はしていく、「あなたにしかない辞書」をさらに充実したものにしていく努力は、無理のない範囲で、続けていけばよろしいのではないでしょうか。

今はまだ、なじみのない「学習語」でも、いつの日か、あなたの「獲得語」となり、あなたの言葉として使える日が来ることを信じて。多少時間はかかるかと思いますが。

以上、皆さんは、いかがお感じでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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